社内外に頼れる人格の協力を得てトラブルに備える。

snkh_0299bパンフレットやホームページの制作担当に指名された時、その案件が無事納品またはカットオーバーされるまで、さまざまな問題が発生します。
あなたが独力で解決できる問題もあれば、ひとりでは困難な事態に陥る場合もあります。後者では上司や前任者を味方につけて社内で対処できるようにしましょう。また、専門家でないと解決が難しい場合は社外にアドバイザー的な人物を用意しておくのが賢明です。

あくまでも社外に委託せずに自社内で制作物を完成させることが前提だとしても、分からないことは訊ける専門家を置いて質問できる程度の道筋を付けておきたいところです。その存在が社外にいて費用が発生するのであれば、あらかじめ予算に計上しておいたほうが心強いと思います。
どうやって道筋を付けるのか──パンフレットやホームページの制作を担当した社内の経験者に当時の制作会社を紹介してもらうのが早道です。または、当該案件ではないけれど他の制作物で貴社に出入りしている業者を紹介してもうらう手もあります。

いずれにしても、何をどこまで頼むことになるのかを明確にしておく必要があります。しかし、実際はそうしたケースはあまりありません。ありませんが、業者としては何らかのギャラが発生するのであれば、喜んで引き受けると思います(注)。

(注)よくあるのは、制作を依頼され無事納品した後に企業の担当者から質問を受ける場合です。もちろん、いままでの繋がりがあるため無料で回答しています。

トラブルになる3つの典型的なケース。

[1]スケジュールの遅れ

どうしても納期遅れが許されない制作物があります。
たとえば、株主総会で配布する資料やIR誌、会社説明会で配布する採用パンフレット、新製品発売日に店舗に設置するカタログなど、制作の過程でどんな事態が発生しようとも、絶対に遅らせることができない類の制作物です。

もちろん、十分な余裕を持ってスタートした案件だと思われますが、進行管理が緩んだり例年にはない大きな修正が途中で入った場合、当初の目論見から外れてスケジュールが遅延することがあります。
こうした時、印刷物であれば印刷に要する日程、WEB であればデザインやコーディングに要する日程を逆算して、スケジュールを組み直すのが、まずすべき第一の手立てです。案件スタート時に設定していた取材が、1,2週遅れることは決して珍しいことではありませんし、早めにスケジュール遅れが分かったほうが途中のプロセスで遅れ分を吸収しやすいものです。

問題は納期直前に入ってからの大きな修正です。業者は小~中規模程度の修正は入るものと見込んでスケジュールを組んでいます。しかし、レイアウトが大きく変わる・構成が組み替えになるなどの修正が終盤に入った場合、通常は破綻します。
あなたが依頼している社外のスタッフ(代理店、制作会社、印刷会社など)は、カレンダー通りに休みます。あなたの案件を担当する代理店や制作会社の編集者やディレクターが土日勤務を苦にしないとしても、その先の手を動かすデザイナーや印刷所はカレンダー通りに休みます。

一般的にはその案件のスケジュール遅れは確定的です。しかし、土日でも稼働する印刷所や24時間働けるデザイナーも少数ですが存在します。それを差配できるのは、担当する編集者やディレクターの力量次第です。あらかじめ、スケジュールがタイトな案件であることが必至であることが分かっている場合、途中で間違いなくスケジュール遅延の可能性が高くなった場合などは、対応できるスタッフへ切り替えることをおすすめします。
そうしたスタッフを把握しているのは、編集者やディレクターですから早めに相談してください。加えて、当初予算では収まらないことも理解してください。

[2]品質が悪い、低い

「原稿」の項目でも触れましたが、クオリティが低い原稿が上がってくることが時々あります。デザインは、提案の時点で選考の判断基準になっているため、案件の進行途中で問題になることはあまりありません。

資料に書かれていること、取材で出た話がそのまま何の工夫もなく平坦な原稿となって提出されてくる場合が珍しくありません。原因は取材と原稿執筆を担当したライターの能力が低い・他にも案件を抱えていて忙しいといったスタッフ側に問題がある場合と、どんな原稿にするかを事前に打ち合わせていなかった貴社と業者間のコミュニケーション不足に問題がある場合があります。
いずれにしても、原稿の書き直しにはかなりの労力が必要になります。そういった深刻な事態にならないよう、力量のあるライターの確保と取材前の企画意図の周知徹底がスタッフ側はもちろんですが取材を受ける側にも求められます。

これは品質を維持しようと最初から高い意識を持って臨んだ場合にリスク回避できる話ですが、問題はすでに低品質の原稿が上がってきた時の対処の仕方です。まず、営業に原稿の出来が悪いとクレームを出してください。場合によっては、編集者やディレクターの変更を申し出てください。
貴社が求めるレベルの原稿になっていない、つまり合格点には達していないということですから、代理店や制作会社の責任であり追加の費用は発生しません。

[3]対応が悪い、遅い

とにかくいつ電話しても担当の編集者やディレクターが不在である・メールしても返信があるのが半日後など、顧客対応が良くない・遅いケースがよくあります。また、修正を入れたのに、部分的にしか反映されておらず未完成のまま次の校正が出てくるといったケースが挙げられます。

舞台裏を申し上げるならば、編集者やディレクターは同時期に数10本の案件を動かしています。上述の品質の問題とも関わりますが、手が回らない状況なのです。
とはいえ、それは代理店や制作会社の事情ですから貴社には何の責めもありません。対応が遅いし連絡が取りにくいと堂々とクレームを申し出て問題ありません。レスポンスは早くなるか、遅くなるとしてもいつ頃には答えられるという中間報告が入るようになります。

それでも改善されないようでしたら、営業に原稿の出来が悪いとクレームを出してください。場合によっては、編集者やディレクターの変更を申し出てください。代理店や制作会社は相当の危機感を以って、貴社案件に臨むと思います。

[4]その他

しばしば聞くのは誤植による刷り直し・シール貼り・正誤表貼付などです。これは、代理店や制作会社を一方的に責めることはできません。なぜなら、校正を貴社ご担当者も確認の上で印刷しているからです。
しかしながら、現実的には最終的な責任は業者が負う形で刷り直し費用は代理店や制作会社が持つケースが多いようです。
ちなみに、納期遅れは完全に補償問題です。当初の見積金額から大幅に値引きされる場合が多いようです。

こうして制作物のトラブルを見ていくと、やりようによってはトラブルを回避、またはリスクを大きく軽減することができます。そして、タフな案件に対応できるのは主に編集者の力量に負うところが大きく、その編集者やディレクターのリレーションで無理が利くスタッフを手配することができます。

すなわち、十分にゆとりを持ったスケジュールのものに力量を備えたスタッフが、事前の準備を怠らず、当初策定したスケジュールを順守して案件を進捗すること──これから外れた案件はトラブルを内包したまま、いつ暴発するか分からない状態で進んでいると理解すべきでしょう。

以上を集約すると、下記のまとめることができます。

◆トラブルはスケジュール・品質・対応に関することが多い。
◆トラブルを避けリスクを回避するには、企業と業者間の事前の情報共有が不可欠
◆企業は業者に有能な編集と有能なスタッフのアサインを希望しておく

次回は6月9日(火)掲載予定です。

引き続き[あなたと、あなたの会社のために]をご覧ください。

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