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2-6 表紙のデザインが難しい場合の3つの解決策

金融やITなど、パンフレットの表紙デザインは3つの方向性から考えてみる

パンフレットの表紙は、会社を代表する顔に当たる部分ですから、相応のクオリティとインパクトが求められます。

メーカーや農林水産業は売るべきモノがあって、それをモチーフにすれば比較的容易に紙面を構成することができます。しかも、自社のいち押し製品を掲載すれば、社内の他の部署から異論や注文が出ることもあまりありません。それをメインビジュアルにしてデザインを煮詰めていけば、正攻法の堂々としたパンフレットができあがります。

しかし、パンフレットの表紙を考えるのに難しい業種があります。サービス業です。具体的に言えば、銀行・保険・証券・リースなどの金融関連とIT関連です。
現在の日本では、このいずれかの業界に属する企業が非常に多いため、デザインの差別化は潜在的な問題になっています。また、サービス業ではなくても、取り扱う商品を表に出せない会社も少なくありません。

こうした場合によく目にするのは、未来っぽいレンタルポジや地球を材料にしてデザインされたパンフレットです。未来を表現することで事業の将来性の高さを、地球を打ち出すことによって業務のグローバル感・スケール感をそれぞれ訴求したい意図が分かります。
ですが、社名を差し替えれば、同業他社のパンフレットでも通用してしまいそうです。その会社らしさや独自性がどこにもありません。

では、どうしたら良いでしょうか。わたしたちはいままでさまざまな業界業種のパンフレットを制作するに際して、多種多彩なデザイン案を検討し提案してきましたが、結局のところ、3つの方向しかないと結論づけました。
「さて表紙をどうしようか」とお悩みの方々はぜひ参考にしてくだされば幸いです。

以下にご紹介するのは、すべてパンフレットの表紙の実際の事例です。そして、考え方はホームページのトップページのデザインにも共通して言えることです。なお、モザイク処理してある部分は社名ロゴが配置されています。

[1]タイプフェイスを使う|
会社のスローガンやパンフレットの内容を表現するコピーでデザインする。

この場合、日本文より表音文字である英文(アルファベット)のほうがデザインしやすいです。日本文を使った事例もたくさんありますが、ひとつ間違うと、過酷な肉体労働を想起させるデザインになる恐れがあります。

英文がメインだとパンフレットの内容が分かりにくいため、日本文をサブフレーズとして添えて、見る側の理解を助ける施策を加えても良いと思います。

 

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ご覧いただいているのは表紙ですが、「an invitation to our global firm」という英文を裏表紙をまたいで大胆にレイアウトしています。

タイプフェイスで見せる表紙にする場合、緻密なデザイン設計が求められます。ただ文字を大きくして置きました、という程度のデザインだと逆効果です。

 

IMG_20150510_0009「Seize Your Opportunity !」という英文に「あなたのキャリアはここから始まる」という日本文を添えて、見る側の理解促進を図っています。日本文は英文を単純に訳したものではなく、違う切り口で表現したほうが良いと思います。

なお、画像では分かりにくですが、大きくレイアウトした「Seize Your Opportunity !」は金箔にしています。背景が白地で、紙面を構成する要素が少ない場合、印刷に若干の費用をかけるとクオリティが一段階上がります。

 

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あえて裁ち落としまで文字をレイアウトして、文字の一部分が切れるようにデザインしています。英文だけの紙面構成ですが、かなりのインパクトを伴って見る側に迫ってきます。

なお、これも画像では分かりませんが、文字はすべて盛り上げ加工(凸感を出すバーコ印刷)にしています。シンプルでありながら、存在感があります。

[2]社屋を使う|自社ビルを所有している会社であれば使える手法です。

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この場合、社屋全体をそのまま撮影するとカタログになりますが、あえて社屋の一部分だけ撮影して、ほとんどは背景の空を写し込みます。つまり、抽象化の作業を行うわけです。

東京大手町に本店を構えるメガバンクなどの場合は、建物自体が意匠に凝っていますから全体を撮っても絵になりますが、一般的な企業の社屋写真はそれだけでは紙面が維持できません。

 

社屋の最上部の角を撮影しました。晴天ではなく、少し雲があったほうがドラマティックになります。ここに社名があればもっと分かりやすいかもしれません。

[3]社員を使う掲載する|社員はあくまでも象徴的な存在として見えるようにする。

金融やIT業界では、見せるモノがありません。したがって、ひとをメディアにしてしまおうという考え方です。ただし、社員を表紙に出す場合は細心の注意が必要です。掲載される社員があたかもその会社を代表する人格のように見えてしまうからです。

ですから、社員を出す場合は顔や表情が見えないようにして、あくまでもその会社の数多くの社員の中の一人に過ぎないことを写真撮影やデザインで明確にする必要があります。つまり、象徴化の作業になります。

 

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手前の男性は首元まで見せて、向こう側の女性はほぼ全身が写っていますがボケて誰であるかは特定できません。

男性中心の企業というイメージが強かったため、背景に女性を置いて、そのイメージを軽減しています。二人ともその企業の「one of them」に過ぎないことを感覚的に捉えさせる狙いです。

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掲載される社員が少人数だと、その個人にフォーカスされてしまうため、顔や表情は写し込まないのが良いとしましたが、この事例は逆転の発想です。

顔や表情が写っても良しとし、その代わりに小さい写真をできるだけ数多くレイアウトしました。結果として個々人が特定されるわけではなく、多くのカットから会社の賑わいを表現することができました。

 

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[1]と[3]の合わせ技です。「PERSONRITIES」というタイトルを5段ズラして重ねリズムを出したタイプフェイス案にあえてブレた社員の写真を使い、個人の特定を避けるとともに躍動感を加えました。

以上、3つの類型でデザインの方向性を見ていただきました。表紙に困った時は、このいずれかの方法論で正解を見つけてください。

引き続き[あなたと、あなたの会社のために]をご覧ください。

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